「亜由美、結構綺麗なマンションに住んでるじゃない」
亜由美が姉の香子と住むマンションの前に着いて、純子がさも感心したように言う。
思いもかけない恥辱を味わった後、ようやく制服を身につけた亜由美は、純子を伴って自分達姉妹が住むマンションに案内していた。
好きで案内したわけではなく、強制されたのである。
白いタイルの外壁がクリーンな感じを醸し出している、5階建ての小洒落たマンションの階段を二人は上がる。
「エレベーターもねえのかよ、ったく」
階段を上りながら愚痴をいう純子の声を背中に聞き、亜由美は重い足取りで歩いていた。
(マンションに案内させて、純子さんは何をする気だろう)
不安を覚える亜由美だ。
2LDKの部屋に入ると、純子はまず亜由美の部屋に入る。
「ふーん、綺麗に片付いてるじゃん」
感心したように、勝手に亜由美のベッドに腰掛けて部屋を見回すと、壁に貼ってある亜由美お気に入りの女性シンガーのポスターや、机の上にある、両親が健在の頃に家族で撮った写真立てなどを遠慮なくじろじろ見る。
「これがあんたの姉ね、なんて名前なの?」
写真立てを手に取り、純子が尋ねる。
「香子、といいます」
いやいや亜由美は答える。それから純子は香子について質問攻めにするのだった。
どこの大学か、趣味は、彼氏はいるのか、いつもの帰宅時間は、などを、亜由美に考える余裕を与えないように矢継ぎ早に聞いていくのだ。
そうして香子についてのデータを得た純子はまだ香子が帰宅するには間があると知ると、傍若無人に振舞い始めた。
亜由美の部屋のタンスを開けて、物色し始める。
「純子さん、やめてください」
おろおろして亜由美が哀願するが、純子は構わずに下着が入っている引き出しを開け、亜由美のパンティを物色し始めた。
「へえ、結構枚数あるのね。ガキっぽいのから、色柄物まであるんだ。あんた大人しいから、白しか穿かないと思っていた」
と、亜由美のピンクやブルーのパンティを手にとってはくるくると指で回す。
それは東京に出てきた際、姉の香子が
「もう中3なんだし、下着のおしゃれにも気を配ったほうがいいよ」
といって、一緒に買いにいってくれたものだ。
まだ白以外を学校に穿いていく気になれない亜由美だが、香子の勧めにそういうものなのかなと思い、とりあえず色物ではあるが大人しめのパンティを選んで買ってもらったのだ。
そのときのことを思い返す亜由美の耳に、いきなりくしゃみの音が飛び込んだ。
「うわっ、ハックション」
いきなり純子がくしゃみをすると、鼻をすすった。
「ああ、夏風邪引いたかな。なんか鼻の調子悪かったんだよね」
というと、亜由美のブルーのパンティでいきなり鼻をかんだ。
まだ身につけていない新品のパンティに、純子が鼻水を擦り付ける。
(新品なのに…)
悲しそうに見つめる亜由美の目の前に、純子が鼻を噛んだパンティを広げる。
股間に当たる部分にだらりと白くにごった鼻汁が付着しているのを見せびらかすと
「どう、これってなんか変な液体がついたみたいじゃない?」
と純子は一人で笑い転げるのだ。
純子は悲しげな表情の亜由美を他所に、
「さて、亜由美の下着の点検は終了。あまり面白くはなかったね。オーソドックスで別に欲しいものはなかったし」
などと勝手なことを言いながら、純子は鼻をかんだパンティを放り出すと亜由美の部屋を出て香子の部屋に入ろうとする。
姉妹二人暮らしなので、お互いに部屋に鍵など掛けていない。
それをいいことに純子は何の遠慮もなく、香子の部屋の扉を開ける。
「あの、そこは香子お姉さんの部屋ですから、お話するならリビングか私の部屋で……」
と亜由美が恐る恐る伺いを立てるが、純子に一笑に付された。
「余計なことを言わない、いいね? 余計なことを言ったり逆らうと、余計に酷い目にあうわ。覚えておいて」
そうして純子は香子の部屋にずかずかと入ると、タンスを開けて下着が入った引き出しを漁り始めた。
「うわー、でっかいカップのブラ。亜由美よりも大きいんじゃない」
純子は部屋の主の二十歳の女子大生の下着を、勝手に手に取り物色している。
ブラジャーを広げて弄んでいたかと思うと、今度はパンティを一つ一つ点検し始めた。
香子の下着は大人しめな物が多い中が、その中で数少ないアダルトな雰囲気を醸し出す黒や紫などのパンティをわざわざ広げて亜由美に見せ付けると、亜由美の神経を逆なでする、余計なことを言う。
「亜由美、これが勝負下着ってやつよ。香子も男漁りに懸命なようね。実は大分チンポ咥え込んでるんじゃないの?」
「そ、そんなことありません。姉はそんな不潔な人間じゃないわ」
下品な想像をされて、ムカッとした亜由美は口答えしたが、純子はせせら笑うのみだ。
「亜由美、あんたがいなけりゃ香子も自由に男を連れ込めるのに。香子から見たらあんた邪魔者じゃないのかなぁ」
亜由美は思わず憤る。姉と二人、手を取り合って生きていこうと誓ったのに、他人に勝手なことを言われたくはない。
「そんなことないです。勝手なことを言わないで」
「じゃあ何でこんな派手なパンツが必要なわけよ。あんたの姉は、ド・ス・ケ・ベ、なのよ」
黙りこくった亜由美を見ながら純子は楽しそうに笑い、香子の紫色のパンティを掴むと
「これ気に入っちゃった。もらっちゃおーっと」
と勝手に宣言するのだ。
「だ、駄目です。姉のものを勝手に持っていかないで」
亜由美は純子にすがろうとするが、突き飛ばされた。
「いいじゃん別に。パンツの一枚くらいでけちけちするなって」
そういった純子の目が怪しく光る。
「亜由美、ちょっとスカートまくって見せてよ」
床に尻餅をつかされた亜由美はのろのろと立ち上がっていたが、純子の命令に躊躇していた。女二人とはいえ、スカートをめくってパンティを見せることは恥ずかしい。
「亜由美、てめー早くしろよ」
純子が怒鳴りつける。
大声で恫喝され、亜由美は身をすくませながらスカートの裾を自ら持ち上げていく。
綿の白くてやや野暮ったいパンティが露になった。
サイドの縦幅も広い大き目のもので、亜由美の張り出した尻もしっかりと包み込んでいる。
「ふーん、まああんたならこんなもんかな」
とパンティむき出しの姿を強制されている亜由美をじろじろ見る純子だ。
「そのままでいること。いいね。逆らったら明日、廊下を下着姿で歩かせるよ」
おぞましい脅しの言葉を吐いて亜由美を釘付けにし、再び香子の下着を漁り始めた純子は、黒のお揃いのブラとパンティを取り出してきた。
スカートを持ち上げさせたままの亜由美に向かい、選んだ黒のブラとパンティを見せ付ける。